今週読んだ本(2019/04/20~2019/04/27)
- 作者: ローレンス・サマーズ,ベン・バーナンキ,ポール・クルーグマン,アルヴィン・ハンセン,山形浩生
- 出版社/メーカー: 世界思想社
- 発売日: 2019/04/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
これは有意義さという意味で凄く良かった。
本当に非常に良かった。
感銘を受けた、というレベルの本に久しぶりに出会った。
やはり一流の人達は凄い。
気が早いけど今年のBEST BOOK候補かもしれない。
内容は数年前のバーナンキ、サマーズ、クルーグマンといった超一流の経済学者たちの、長期停滞論に関する演説、ブログ記事などをほぼそのまま邦訳したもの。
本文の後の解説に大まかな流れが書かれてるので解説から読んだほうが良いかもしれない。
ざっとした感想としては↓のような感じ。
誰かが紹介してたこの本、長期不況の原因とその対応策が明快に議論されていて凄くいい
— ハレ (@hare_roo) 2019年4月19日
本当に日本人全員読まないといけないレベルの有意義さだと思う
景気の回復が感じられないのはなぜかー長期停滞論争 世界思想社 https://t.co/QFbEu3LA2Q @amazonJPより
今の日本が目指すべき場所は
— ハレ (@hare_roo) 2019年4月19日
・減税
・財政出動(公共事業投資)
によるインフレ実現なんだな
増税やら緊縮財政やら真逆のことやってる場合ではない
基本的な考えとしては、お金の価値は変わるということ
— ハレ (@hare_roo) 2019年4月19日
例えば1950年に、50年後に返す約束で12万円借りた人がいたとする
当時の12万円は平均年収ぐらいに相当するので、これは借りた側が得をしている
日本の借金に関しても同じことを起こさないといけなくて、そのためにはインフレが必要
インフレが起こるとはどういう状態か?
— ハレ (@hare_roo) 2019年4月19日
モノやサービスの産出により、お金の価値が相対的に下がる→貯金していても価値が下がるので投資する→投資によって新たな産出という歯車が回り続けてる状態がインフレ
じゃあ最初に歯車を回すのは?
民間がやらないなら国がやるしかない
とかく重要なことは、お金の額面と実質的な価値は違うということ
— ハレ (@hare_roo) 2019年4月19日
これは逆も然りで、デフレ下だと過去に借りた借金の実質的な価値がどんどん上昇してしまう
緊縮財政や増税によって借金の額が減っても、それ以上に経済が縮んでしまえば借金はむしろ増えているのだ
ただ(もちろん日本語だが)バーナンキやらサマーズやらのブログとかを結構そのまま載せてるので、本当の初心者向けの本ではないかな。
一から説明するタイプの本ではないし、行間を埋めるのに少し考えないといけないところも多い。
例えば、今ぱっと開いたページにはこんな文があった。
一つ目はヒステリシス、今日は逆セイの法則と呼ばせてもらうものです。ジャン・バプティスト・セイはシカゴ派経済学者の守護聖人で、供給はそれ自身の需要を創り出すのだと十九世紀に宣言しました。つまり、いわば失業や産出ギャップは起こりえないというわけです。というのも、何かを作ったら、それを作ることでだれかの所得を生み出さねばならず、そしてその所得を得た人びとはその所得を支出するからです。
この文が全く意味不明ならこの本を読むのは厳しいかもしれない。
逆に、何となくこの文の意味が分かるならば、多少行間を埋める努力は必要かもしれないが問題なく読めると思う。
非常に有意義な本だった。
増税なんかしてる場合じゃないですよホントに。
こっちはマクロ経済の4つの目標(経済成長、失業率の低下、インフレ率の低下、持続可能な国際収支)に関するトピックについて、平易な言葉で書かれた本。
まえがきによればミクロ編を先に読んでほしいらしい。
が、ミクロ経済学に関しては神取さんの「ミクロ経済学の力」を積んでるのでまずはそれを読まねばならない。
「景気の回復が~」とは違って非常に簡単な言葉で書かれているのでスラスラ読める一方で、脱初心者?レベルの僕から見ても当たり前のことしか書いてないように感じて若干物足りない。