逆イールドの意味がよく分からなかったから調べた

昨日から今日にかけてTLで逆イールドと言う単語が飛び交っていた。

 

要は米国債の利回りが短期>長期になることらしい。(短期、長期の具体的な数字としては3ヶ月と10年が使われることが多いとか)

 

これが起こると不景気が近いうちに来るらしい。

 

ところで、短期国債の利回り>長期国債の利回りになるとは具体的にどういうメカニズムなんだろう?

 

普通は長期国債のほうが利回りがいいわけだ。

長くお金を貸すんだから利子も多めにつけてもらわないとそりゃつりあわないよね。

 

ところがどっこい、短期国債のほうが利回りが高くなると貸してる期間が短い方が利子がいっぱいつくという訳分からんことになる。

 

そうするとみんな短期国債を欲しがって、短期国債の利回りが低くなる(あるいは長期国債の利回りが高くなる)んじゃないか?

そう思うわけね。

 

市場原理的には(たぶん)この言説は正しいんだけど、短期国債金利というのは国の政策金利によって決まるらしい。

 

一方で長期国債金利は市場原理で決まるそうな。

 

つまり長期国債金利が低い状況というのは、市場参加者が「これから短期国債金利(=政策金利)は下がるだろう」と予測してるってことなんだよね。

(そうすると短期国債金利<長期国債金利という普通の状態に戻る)

 

で、政策金利が下がる、すなわち中央銀行(日本でいえば日銀)が市中銀行(民間銀行)にお金を貸す時の金利が下がるってことはすなわち不況なのね。

なぜなら政策金利が下がる=民間銀行が民間企業にお金を貸すときの金利も下がるってことで、そうすることで民間企業にどんどんお金を回して経済を活性化させたい状況だからね。

 

だからまとめると、逆イールドが起きる=政策金利は下がると予測されている=不況が起きると予測されているということなんだよね。

 

で、歴史上どうやらその予想はだいたい正しいらしい。

どうも逆イールドが起きてから9か月~18ヶ月後ぐらいで本格的な不況がくるとか。

 

嫌な話だ。

 

 

ちなみに補足だけども、上のほうで利回りと利子がつくという言葉を同じ意味で使っているけどこれは間違い。

 

例えば100万円の10年国債があって、この国債は10年後に110万円になって返ってくるとする。

すると利子率は年1%だ。

でもこの国債を買った5年後には、この10年国債は5年後に10%の利子がついて返ってくる国債になっている。

 

仮に値段が100万のままだとしたら利回りは年2%だ。(もちろん値段が100万のままとは限らない。需要と供給の関係で値段が決まる。)(まぁ大体は値段上がるよね。利子もらえるまでの期間が短くなってるんだから)(値段が上がると利回りは下がる。つまり逆イールド状態は長期国債の値段が上がっているとも言える)

 

これが利子率と利回りの違い。

利子率は最初に設定されてずっと一定だけど、利回りはその国債の取引価格によって変化する。